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あの世界的英語教授資格DELTAを取得!北星学園女子中学高等学校の吉田先生のインタビュー

2024.10.04

国際的な英語教授資格DELTA[1] (デルタ)を取得した先生が北海道にいらっしゃるという噂を聞きつけ、吉田努先生(北星学園女子中学高等学校)にインタビューをさせていただきました。

DELTAとは、最近日本でも取得者が増えているCELTA(セルタ)の更に上級の資格で、イギリスでは修士課程と同等のレベルとされています[2]。3つのモジュールから成り、3つ全て合格すれば完全なDELTA資格が授与されます。世界的に認知されているケンブリッジの上級英語教授資格に、多忙な現役の教員でありながら挑戦された吉田先生。ご自身が英語教員になった経緯から、Cambridgeとの出会い、そしてDELTA取得までの道のりをお話いただきました。

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ケンブリッジ: 英語教員になったきっかけを教えてください。

昔は英語が得意な方ではありませんでしたが、自分自身の高校受験の際に英語のルールに気づいてから一番の得意科目になりました。商学部商学科に通いながら英語教員免許を取得し、その後修士課程で言語習得も学びました。もともと英語が得意だったわけではないので英語をわからない生徒の気持ちも理解でき、“わからないことがわかるようになった” “出来るようになるんだ!”ということを教えることも日々意識して教壇に立っています。母校で3年間教えた後、現職の北星学園女子中高へ来ました。「高校生でもCEFR B2レベル以上になれる!」と信じて教えています。

 

ケンブリッジ: Cambridgeとの出会いを教えてください。

2015年に日向清人先生のTwitter (現X)で、「一番本物はケンブリッジ英検」と投稿されているのを見たことがきっかけで、ケンブリッジ英語検定のことを知りました。その後、学校改革でケンブリッジ英語検定の導入を検討している中で、ケンブリッジの資格等に知見のある北星学園大学の白鳥先生やSMiLE nisekoのJulian先生に会いに行き、Cambridge English School (現Cambridge Educational Partner制度)[3]を知りました。その後すぐに日本で初めてCambridge English Schoolとして認定された工学院大学附属中学校・高等学校やケンブリッジの日本オフィスへ訪問させていただくなど、とにかくたくさんの方に会いに行き話を伺いながら人脈を広げ、Cambridge English Schoolになることを目指すことにしました。

ケンブリッジ: DELTAを受けるきっかけと資格取得までの道のりを教えてください。

2018年にSMiLE nisekoのJulian先生にDELTAのことを教えていただいてから興味を持ちました。DELTAの難しさは知っていたので取れるわけがないと思っていましたが、既にケンブリッジのTKT (Teaching Knowledge Test)[4]は受けていて、いつかDELTAを受けてみたいと思っていました。

2020年に北海道でDELTAのModule 1の開催が決まったと聞き、コロナ禍でちょうど「いつかやりたいことは、今やろう」と思うようになっていたこともあり、受講しました。受からないとわかっていつつも自分自身の立ち位置を知ってそこから合格を目指そう、まずはやってみようと思い、2年計画で受講しました。2021年6月からModule 1のリベンジをし、無事合格。同年12月からは英国ケンブリッジにあるBell SchoolのオンラインコースでModule 3へ申し込みをし、なんとか受講許可を得てその後2月に無事合格しましたが、「もう出来ない。もう辛い」と正直思っていました。ちょうどこの年、他の先生のカバーもあったため授業も本当に忙しかったんです。

そんな中、次の年に受け持つ授業の時間が少ないタイミングがやってきました。その時にちょうどBell SchoolがModule 2の9か月コースを開催するという情報を目にし、挑戦しようと思い、申し込み締め切りの3日前に申し込んで受け入れてもらいました。私が学校で受け持つ授業の種類も絞って授業準備の時間を減らすなど、とにかく時間を作る工夫をしました。また、同僚の助けも得ながら、ライブ配信でModule 2で必要な授業評価などもなんとかクリアし、やっとの思いでModule 2に合格しました。

DELTA Module 2ではコース開始時に自分の授業をチューターに見てもらい、強みと弱みを指摘された上で自身がこの9か月間でどう改善していくかを自分で考えなくてはいけなかったり、その改善したと言える根拠を提出するように求められたり、授業で実施することは全て理論に裏付けられていないといけなかったりするので、とにかく自分のティーチングに向かい合って文章にまとめてそれを評価してもらうという作業が続き、振り返るとたくさん勉強して為になっているものの、もう一度やりたいなとは思えないほど大変でした。でも、だんだんと分かって来るので時間が経つにつれて徐々に楽になるんですよね。

 

ケンブリッジ: DELTAを取得して、どんなことが変わったと思いますか。

「大きく変わったわけじゃない」と思っていますが、アプローチの仕方は変わったのかなと思っています。Anticipated problemを一人一人に合わせてより考えられるようになりました。「この生徒はきっとこう来る」「この生徒はきっとこうだ」といった、一人一人がつまずくであろうポイントも事前に予想して事前に対策を考えています。DELTAを通して「そもそも読めるって何だろう?話せるって何だろう?」と考えるようになったので、今まで以上に自分の中でのティーチングのバリエーションが増え、「この生徒はきっとこれが必要だな」「この生徒はきっとこうしてあげたらわかるはず」と、生徒一人一人に合わせたバリエーションを考えられるようになりました。

様々なアクティビティを組み合わせる、授業は“組み合わせ”で出来ています。例えばスピーキングを教えるにも、アクティビティ前の準備や練習も必要だし、その準備や練習にも色々なパターンを組み合わせて生徒に合った教え方を考えています。DELTAのコース内で他の先生の授業を見学する時間もあったので、そこで様々な導入の仕方などバリエーションに富んだ授業を見ることができ、学んだことを生徒たちに合わせながら展開しています。DELTAでは授業の振り返りも多く行うので、「予想通りに進んだな」「これは予想通りにいかなかったな」といった授業も全て振り返り、学びに繋げます。自分では「大きく変わったわけじゃない」と思っていますが、本当は色々変わっているのかもしれませんね。

ケンブリッジ: DELTAに挑戦したいと思っている方々へ、メッセージをお願いします。

「やってみようよ。考え続けても変わらないから」ですね。英語教育等を大学院で学んでいた人とか、TKTを受けられた人とか、勉強したことがある人はきっと大丈夫。まずはTKTを取ってみてください。Band 3以上、できれば4以上取れたらいいと思います。

 

ケンブリッジ: 今後挑戦したいことはありますか。

何かCambridgeの資格を取ろうと思っている人の手伝いをしたいです!

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「生徒に“ケンブリッジ英語検定で世界を目指せ”って言っているから、自分も世界を目指さなくちゃと思っています」と笑顔で話してくださった吉田先生。ご自身が世界的な資格試験等に挑戦し続ける姿を生徒たちに見せることで、生徒たちが何か感じ取ってくれたら嬉しいと教えてくださいました。

多忙で知られる教員という仕事の傍ら、教員としての更なるスキルアップのために世界的な英語教授資格DELTAの取得を成し遂げ、学んだことを生徒たちに授業で還元し続ける吉田先生。なんと、その後英語試験の世界最高峰と言われる英語試験であるケンブリッジ英語検定のC2 Proficiencyにも合格されました!これからのご活躍、ケンブリッジのスタッフ一同応援しております!

 

[1] Diploma in Teaching English to Speakers of Other Languagesの略。

[2] 英語以外の言語を母語とする学習者への指導において、Delta は英国のプログラムや学位を監査評価する機関の 一つOfqual (Office of Qualifications and Examinations Regulation)により、「全国資格フレームワーク」(NQF:National Qualifications Framework)のレベル 7(学術資格の修士レベルに相当)に定められています。

[3] Cambridge English School (現Cambridge Educational Partner制度)とは、ケンブリッジ大学出版発行の教材を採用し、英語学習の成果をケンブリッジ英語検定で測定するなど、学校全体で英語力向上に取り組むことに関し、複数年にわたる計画のコミットメントを約束した学校を対象とするスキームです。

[4] Cambridge University Press & Assessmentが開発した、英語教師に求められる言語・教授法の基礎知識を網羅したテスト。

 

DELTAの各モジュールは、異なる側面から英語教育を深める内容となっています。

Module 1           言語・教授法・教材の理解

英語教授と学習に関する理論的背景を学ぶ

Module 2           実践と教授法:専門的実践の開発

実際の授業を通じて、授業計画と指導のスキルを向上させる

Module 3           専門分野の研究

オプション1: 教授法のスペシャリズム – 選択した分野のニーズ分析やコースプランニングに焦点を当てた研究

オプション2: 英語教育マネージメント – 教育マネージメントの状況分析とプランニングに焦点を当てた研究

詳細は、DELTAに関するハンドブックをご覧ください。

https://www.cambridgeenglish.org/Images/181161-delta-handbook-for-tutors-and-candidates-document.pdf

同インタビューのPDF版はこちらからダウンロードいただけます。

 

 

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