Cambridge Day Online Japan イベントレポート
2021.11.01
Cambridge Day Online Japan 2021の様子
10月31日(日)に開催されたCambridge Day Online Japan 2021、おかげさまで今年も大盛況となりました。全国からとても多くの先生方がご参加くださったイベントの様子をレポートします。
基調講演
新学習指導要領で変わる・変えるべき英語の授業と評価 ―最低限押さえておくべきこと、その実現のために必要なこと
向後 秀明 先生(敬愛大学英語教育開発センター長・国際学部国際学科教授、元文部科学省初等中等教育局教育課程課・国際教育課 教科調査官)
「多くの疑問を解決してくれる」「知っておくべき情報がいっぱい」など、ご参加くださった先生方が毎回高く評価してくださる向後先生のお話。今回は先生方も特に気になっている新学習指導要領改定の基本的なコンセプトから、それを現場で実現するために必要なこと、先生方が確認しておくべきキーワード、そして観点別学習状況の評価と注意点などを、とてもわかりやすく、時に先生方を笑顔にしながらテンポよく話してくださいました。
特に評価の部分では、振り返りシートはたくさん書いてあればいいのではなく、書かれたことを実際にやろうとしているか、生徒が自身で評価をして調整をしているかその途中経過を見ることが大切だとおっしゃっていました。
現場をとてもよく知っていらっしゃるからこそできる向後先生のお話では、頷きながら真剣にメモを取ったり、時に「そうそう」「なるほど」といった声が聞こえてきそうな参加者の方々の表情が印象的でした。
Group Sessions
Student Support and Classroom Management in the EFL Classroom
Ms. Tanja McCandie(Lead Tutor for Cambridge University Press, Nanzan University)
Cambridge Dayや教員研修でお馴染みのTanja先生。日頃より授業を円滑に進めるうえでヒントになるClass Managementについて、Monitoring、Observing、Supporting mixed level classroomの三つの観点からお話しいただきました。
Monitoringでは個人、ペア、グループ、クラスでのアクティビティの利点について、Observingでは先生がアクティビティの最中に立つ位置(前、横、後ろ、巡回する)など、普段あまり意識せずにしていることも取り上げて話し合いました。
特に生徒のレベルに差があるクラスの中でのサポートについては先生方から様々なコメントがありました。レベルが高い生徒が早めに課題を終え他の生徒を待っているケースでは、追加のタスクを与える際の注意点などもお話しされ、現場の課題解決のヒントをたくさんいただきました。
参加いただいた先生方にチャットでアイディアを共有いただいたり、グループに分かれて意見や情報交換をしてもらったりと、参加者を巻き込んだ非常に活動的なセッションでした。
Enhancing Student Interaction in the Classroom
Mr. Allen Davenport(Professional Learning and Development Manager, Cambridge University Press)
ケンブリッジのアジアを代表するティーチャートレーナーAllenによるセッションでは、教室内での生徒同士のインタラクションを増やす利点とその際に起こりうる問題への対処法について、参加者の先生方とチャットボックスで意見を交わしながらお話いただきました。
インタラクションを取り入れる際の問題点として「生徒が話そうとしない」「生徒が途中でタスクをやめてしまう」「生徒がずっと日本語で話してしまう」「生徒同士がうまく一緒に活動できない」などの問題に対して、参加した先生方にブレイクアウトルーム内で解決策を話し合っていただき、その後講師から複数の考えうる対策法が示されました。
生徒同士が活発にやり取りできるよう、英語レベルではなく、授業への参加率でペアを決めてもよいというアイディアが印象的でした。チャットボックスを活用したインタラクティブなセッションで、あっという間に時間が経ちました。
洋書教材の利活用と学習者の未来
中川 千穂 先生(工学院大学附属中学校・高等学校 英語科主任、2019年Cambridge English School Competition最優秀賞)
Cambridge Dayでお馴染みの中川先生。今回は授業で使用しているPrism Readingという教材を使って、実際の授業のように参加した先生方にアクティビティを体感していただいたり、distance learning / face to face learningそれぞれの長所、短所についてJamboardを使ってアイディアを出し合うなど、参加型のセッションで盛り上がりました。
Minecraft教育版English Adventures with Cambridgeを2人1組の英語学習に活用し生徒が学びに夢中になる工夫をしているだけでなく、一つのものを学ぶことで様々なものに派生して学びを引き起こすような仕組みづくりをしていらっしゃり、セッションではそういった様々な取り組みやアイディアをご紹介くださいました。生徒の行動変容を起こすための取り組みとして、生徒の発話量を見える化する卵型の機械もご興味を持った先生方が多かったのではないでしょうか。
戦略的な学びを実現するためにはQPMIサイクルを取り入れていくことが生徒、先生の両者にとって必要であると仰っていたのがとても印象的でした。
最後に
Cambridge Dayも今年で5年目を迎えました。
当社にとって、高校の英語コミュニケーションI検定教科書『Cambridge Experience 1』を出版するなど、節目の年となりました。
今年もCambridge Dayへリピーターとして参加してくださっている先生方を始め、初めてご参加くださる先生方も多くいらっしゃり、スタッフ一同大変嬉しく思っております。参加した先生方から、早速嬉しいフィードバックをたくさんいただいております!
“非常に実になるセッションでした。来年度も楽しみにしております!”
“Breakout room やチャットの使用により、各セッションがあっという間に感じられました。また他校の先生方のご意見もお聞きすることができ、大変参考になりました。ありがとうございました。”
“非常にためになる講演でした!来年は対面でできることを祈っております。ありがとうございました!”
ご参加くださった皆様、改めましてこの度はご参加いただき誠にありがとうございました。