Cambridge Day Online Japan 2022 イベントレポート
2022.10.31
Cambridge Day Online Japan 2022の様子
開催前から満員御礼となりましたCambridge Day Online Japan 2022。
全国からたくさんの先生方がご参加くださったイベントの様子をレポートします。
基調講演
言語活動の活性化&評価の効率化はどうできる?-実行可能性を考慮したミクロ的視点からの提案
向後 秀明 先生(敬愛大学英語教育開発センター長・国際学部国際学科教授、元文部科学省初等中等教育局教育課程課・国際教育課 教科調査官)
「言語活動の活性化&評価の効率化はどうできる?」というタイトルで、下記8つの項目に分け様々なアイデアを共有いただきました。
- 言語学習の環境づくり
- Can do listがなければ学習指導要領の目標を活用
- 言語活動のイメージをつかむ
- 教科書の扱い
- 教材(英文)を理解するとは?
- アウトプット活動のための仕掛け
- 適切に評価を行うための留意点
- スピーキングテストの実施
多くの先生にとって悩みの種である評価とスピーキングにおいては、「⑦適切に評価を行うための留意点」、「⑧スピーキングテストの実施」で向後先生が実践されているアクティビティや手法、各観点でProductive・Receptiveスキルにおける評価方法、スピーキングテスト実施における課題と解決策など、明日の授業から実践可能なアイデアを多数ご紹介いただきました。
最後に、「評価の本質は他者との比較ではなく、一人ひとりの過去からの変容を見ること、子どもにはそれぞれの学びのペースがあってそれが個性である、子ども一人ひとりの学びを大切に」というお話に、評価の在り方に関し改めて考える機会となりました。また学生に寄り添い、よりよい授業を模索し続ける向後先生のお話に、参加された先生方がメモを取りながら耳を傾けている姿が印象的でした。
Group Sessions
洋書教材を使うためのマインドセット
中川 千穂 先生 (工学院大学附属中学校・高等学校 英語科主任 2019年 Cambridge English schools competition 最優秀賞受賞)
Cambridge Dayでお馴染みの中川先生。今回は洋書教材を使った授業に必要なマインドセットと活用のコツについてお話いただきました。
前半部分では、ICTの発展や産業構造の変化など、急激に変化している社会に対応した英語教育を行うために、Cambridge Life Competencies Frameworkの中でも特に「Learning to Learn」を重視しているなど、英語教育をアップデートしていくために必要なマインドセットについてお話くださいました。
後半では、洋書教材を使う時に気を付けるべきポイントをKahoot!(カフート)を用いながら参加型で楽しくご紹介いただきました。最後の質疑応答では、生徒同士の話し合いをICTツールを使って可視化し、生徒自身に観察させて行動変容を促すなど最先端の実践例もご紹介いただき、デジタル教材の活用についても活発な意見交換がありました。
「共感できた」「元気をもらった」というお声もあり、学びの多いセッションとなりました。
Encouraging peer learning in the English classroom – making student center class, benefits & practices
Ms. Tanja McCandie (Lecturer at Chukyo University, holds CELTA)
Tanja’s presentation covered the concepts of student autonomy, self-efficacy and student-centred classrooms. To begin the process of making a classroom more student-centred Tanja explained that it is important to think about peer learning and collaborative practices; students working together to further their knowledge and education.
Attendees participated in thinking about the advantages of a student-centred learning and collaboration by considering topics such as students taking leadership roles, making students active learners, and increasing student speaking time.
In the second half of the workshop, attendees moved into breakout rooms and were given an activity from our Game Changer textbook (for junior high school students) to discuss how they would make a student-centred class. It was a great opportunity for everyone to put into practice what they have learned about peer learning, student collaboration and student-centred learning.
中高一貫校の中学での「オールイングリッシュ授業」の取り組み ~日々の葛藤より~
鈴木 優子 先生・松本 悠暉 先生 (高槻中学校・高槻高等学校 – Cambridge Better Learning Partner)
伝統ある進学校の同校は、今までも英語の成績に関してきちんとした成果を上げており、文法や訳読を中心とした伝統的な授業を行っていましたが、Cambridge Better Learning Partner Schoolとして大きな授業改革を行い、文法、リーディングも含め英語で英語を教えるall Englishでの授業を開始しました。日本語を使わずに文法を教えて大丈夫か、 単語は書かなくていいのか、 英語だけで生徒の意見を引き出せるか、 辞書は必要か…など、導入時のたくさんの不安と苦労をざっくばらんにお話しくださり、参加者から「とても共感できた」というフィードバックがたくさん寄せられました。
無駄を省く、生徒を信じて待つ、時にはタスクを飛ばして教材を使うなど、様々な試行錯誤の上授業改革を推進し、今までよりさらに高い結果を出すことに成功したお話を共有して下さり、励まされた先生方も多かったようです。
松本先生は授業の様子を模擬授業の形でご紹介くださった後、「迷走期」から「確立期」に移行するまでに授業で意識したことを共有してくださいました。生徒からの答えの引き出し方、出た答えを拾って全体に広げる方法、やり取りのテンポなど、学びの多い素晴らしい授業を披露され、あっという間に時間が過ぎるセッションでした。
鈴木先生が最後にご共有くださった以下の言葉通りで、生徒のために自分の信じた道を進んでいくお二人の姿に、とても励まされる内容でした。
”We become what we think about. by Florence Nightingale”
Effective Monitoring to enable targeted Feedback in Speaking Tasks
Ms. Ruth Donoghue (Academic Skills Advisor in Australia, holds MA in Education (TESOL) and CELTA)
Effectively teaching English speaking to teenagers, especially in big classes, can be a daunting task for teachers anywhere. In this session, Ruth spoke about some of the key problem areas which teachers face when conducting such classes and the possible solutions to them.
Drawing on her own research and experiences, including a practical example of a voice recording from a Japanese high school student completing a speaking task, Ruth highlighted some hurdles students face when practicing speaking, and in turn the issues teachers face when preparing speaking classes.
Through breakout rooms attendees were able to together discuss their ideas on feedback and monitoring before considering an idea for a “Marking Checklist” to help identify areas where students excelled or struggled and a “6-step strategy” for improving motivation, including classroom preparation and effective feedback.
Overall, teachers attending the session were able to ask questions and give feedback on what can be done to improve speaking, but as Ruth had mentioned “although experts are still divided on what is the most effectively way to improve students’ speaking ability”, it is evident that “clear instructions, achievable goals, with effective, timely and constructive feedback” are important for students to encourage them to continue improving their speaking.
最後に
Cambridge Dayも今年で6年目を迎えました。
参加した先生方から、早速嬉しいフィードバックをたくさんいただいております!
“とても勉強になりました。今後もぜひこのような機会があったら参加したいです。”
“学びのある有意義な時間をありがとうございます。同僚にも御社のイベントについて伝えたいと思います。”
“今回のケンブリッジさんのセミナーはかなり刺激的でした。本当にありがとうございました。もし、可能であれば今後もセミナーに参加できればうれしいです。”
“今日も有意義なワークショップをありがとうございました。常にその時々のニーズに合う講演をしてくださるので、いつも多くを学ばせて頂いております。対面でお会いできないのは残念ではありますが、世界中のどこからでもご講演頂けるのはありがたいです。素敵な先生方の新しい手法を、今後も学ばせて頂けると嬉しいです。”
ご参加くださった皆様、この度はお忙しい中お越しくださいまして誠にありがとうございました。