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ケンブリッジクラブ

アイルランドの日本人学校から始まった教師生活!プレゼンテーションを土台に本物志向の教育を実践!

2019.09.19

慶應義塾大学卒業後、アイルランドの日本人学校での教師経験を経て、現在早稲田中学校・高等学校で英語教師として勤務する後上雅士先生にインタビューしました。
 

ケンブリッジ:本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは簡単に自己紹介と英語学習歴を教えていただけますか?

私は長野県に生まれ埼玉県幸手市で育ちました。小中高は公立の学校に通っていました。高校時代は勉強自体が苦手で授業にも集中せずスポーツばかりしていて、英語は決して得意ではありませんでした。勉強自体が好きではなかったので、案の定、大学受験に失敗し浪人することになりました。当時は人気校ともなると倍率が20倍を超える時代で、競争が激しかったのを覚えています。ところがこの浪人生活で出逢った予備校講師の英語の授業を受けて、生まれて初めて「英語がわかる!」という体験をしました。結局、第一志望の夢は叶わなかったものの、慶應義塾大学文学部英文科に運よく合格しました。その時感じたことは、英語の学習方法の大切さです。そして、教師になって英語を教え、社会に還元しようと決意しました。

ケンブリッジ:予備校で受講したわかりやすい英語の授業のお陰で英語教師を志したわけですね。では大学卒業後は日本の学校で教えることになったのですか?

東京での学生生活に慣れすっかり都会人になったつもりでいたのですが、地元の中学校に教育実習に行き、13歳~14歳の子どもたちに英語を教えたり、一緒にスポーツをしたりしました。大学卒業後は一般企業への就職が決まっていましたが、相も変わらず純朴で素直な子どもたちが自分に懐いてくれ、自分は教師に向いていると勘違いをしてやはり英語教師を目指そう!と意気込んでいました。ところが英語教師になる上で最も根本的な問題に気が付いたのです。それは自分が「英語を話せない」ということでした。実習先のALTともまともに会話ができませんでした。大学のネイティブスピーカーの話す英語も難しく、帰国子女と同じ授業を受けて彼らと圧倒的な英語力の差を感じました。自分の英語力を全否定された感じでした。「英語がわかる=英語ができる」と誤解していたのですね。これでは英語を教える生徒に対して申し訳ないと思い、自分自身の英語力を高めるためアイルランドの日本人学校を最初の就職先に選びました。

ケンブリッジ:アイルランドの日本人学校とは思い切った進路選択ですね。そこからどのように英語力を高めていったのですか?

仕事以外の時間はアイルランドの生活を満喫しました。まずは現地の人とルームシェアをして朝起きても英語、夜ご飯を食べるときも英語、と何もかもが英語で行われる環境に身を置き、大量のインプットとアウトプットをすることにしました。生徒の具合が悪くなって病院に連れて行った際も全て英語でコミュニケーションをとりました。他にも学校旅行の引率でドイツやフランス、イタリアに行ったりと英語を話す機会には非常に恵まれていました。実践により自然に英語力が鍛えられた感じです。ヨーロッパを一人で放浪していた時には、世界にはFrench EnglishやItalian Englishが存在し、Japanese Englishも決して恥ずかしくないということにも気づかされました。

ケンブリッジ:やはり大量のインプットとアウトプットの環境は大切ですね。その後日本に帰国されて英語教師になられたのですか?

はい。1995年2月ごろに帰国し出身大学の掲示板に張り出されている教員採用募集を見ました。募集はほとんど終わっていましたが、唯一千葉県の某私立学校が募集をしていて、駆け込みで応募し運よく合格しました。当時その高校の魅力や特徴は世間に認知されておらず、生徒募集にも苦労していていました。そこで、何か自分のできることでアピールしようと考え、若輩者の私は「進学実績を出すしかない!」と思い込んだわけです。予備校時代に自分が感じた「英語がわかる」経験を生徒にさせようと本気で指導して1年、結果、生徒が上智大学と早稲田大学に合格、その翌年からにはいわゆる有名私立に合格する生徒が徐々に増えていきました。ちょっとした奇跡でしたね。何よりも合格した生徒と親御さんが本当に喜んでくれたのが嬉しかったです。

ケンブリッジ:まさにドラゴン桜ですね。その後都内の高校に異動されたということですか?

この学校に勤めて4年目のある日、「本校の採用試験を受けてみませんか?」と突然電話がありました。それは千葉県内になる某有名私立進学校からでした。採用試験に合格し、教師となった私がそこで出会ったのが洋書を使ったオールイングリッシュの画期的な授業でした。毎日忙しく、結果や実績が求められる厳しい環境ではありましたが、同僚や先輩と議論をしたり、授業研究をしたりして切磋琢磨する充実した日々を送りました。英語を使って教える能力も徐々に身についていきました。自分の教え方の基礎ができあがったのはこの時だと思います。しかし、教えれば教えるほど自分の指導法が正しいのかどうか疑問を持つようになり、科学的な視点から客観的に自分の仕事を評価したいと思い、在籍中に東京外国語大学大学院に進学しました。ひたすら学問に没頭する幸せな時間でしたね。指導教授陣や一緒に勉強する優秀な院生の仲間にも恵まれ、ここで学んだことは人生の宝だと思っています。特にコーパス言語学から学んだことは今での現場で仕事をする上での大きな助けになっています。

ケンブリッジ:その13年間で教え方を培われたわけですね。そこからなぜ早稲田に行かれたのですか?

さらに飛躍するため新しい挑戦をしようと動き出しました。早稲田を選んだ理由は、まずは早稲田大学の付属であるということ、そして専門性が高い教師が多く研究環境が整っているということです。今年で7年目を迎えましたが、現場で教えることに加え、自分のアイディアや取り組みをできるだけ多く外に向けて発信し、これからの英語教育を支える皆さんの役に立ちたいと思っています。

ケンブリッジ:どんどんレベルアップしていく様子が伝わりますね。早稲田ではどのような授業が行われているのですか?

4年間英語を話すことに特化した授業があることです。中2~中3では英会話、高1~高2では英語によるプレゼンの授業があります。ただ話して終わりというのではなく、内容や伝え方、英語の正確さなども重視した指導を行っています。「英コミ」や「英表」に直結し、そこで学んだ知識を活かした質の高いアウトプットをすることが狙いです。プレゼンテーションの授業を英語科で企画したとき、アカデミックな内容で大学生、あるいは社会人になってからも役立つ技能を育てようという方向で意見が一致し、国内に存在するプレゼンテーションのテキストを多数取り寄せ分析しました。どれも内容が合わず困っていたところ、洋書を取り寄せて出逢ったのがケンブリッジ大学出版のPresent Yourselfでした。プレゼンテーションのプロセスや方法を教えてくれる教材は数多くありましたが、Present Yourselfは我々が求めていたスキルベースで進行するカリキュラムと細かいステップで構成されたユニットが日本人のプレゼンテーションにおける課題に合致したのです。Voice ProjectionやGesture、Sentence Stressなどのテクニックが事細かく映像と共に記されていて、イントロの段階から自分で思考し最終的に自分のオリジナルのプレゼンテーションをするという流れが本校の生徒にぴったりでした。さらにプレゼンテーションの内容自体が豊富で、生徒のレベルに合わせてカスタマイズできるのも魅力の一つです。あえて洋書を使って授業を行うのは専門用語でいう「i+1」という意味のほか、本校は早稲田大学の系属校ですので、生徒には大学に入ってからも通用するようなアカデミックでチャレンジングなものに先取りで挑戦してもらいたいという気持ちもあります。

ケンブリッジ:中高でプレゼンテーションを重要視されているのですね。英語教育を超えてどのような人材育成を心がけていらっしゃいますか?

学校としては子どもたちが幅広く自由な選択ができる環境を提供したいと考えています。学校の実績のために生徒の進路を誘導せず選択の幅を狭めるようなことはしません。受験以外のことも幅広く深く経験してもらうために、本物志向の教育プログラムを用意しています。家庭科の調理実習では単身赴任しても生きていけるレベルまで徹底して指導します。魚を捌いたり、三枚におろしたりもします。事前学習では歌舞伎座で新春歌舞伎を観たり、ネクタイとスーツを着てオペラ鑑賞をしたり、常に本物志向で日本文化を肌で感じ実体験をさせ社会に送り出したいと思っています。中高時代には1人ではできない経験を学校が提供し、20~30年後に社会で役立つスキルが身に付いた人材になるよう育成していきたいですね。個人的には社会に出て実践的に使える英語力を身に付けるために、中高時代に英語に興味を持ってもらい、世界言語として自然に自己表現する生徒を育てていくのが今の目標であり夢でもあります。

ケンブリッジ:プレゼンテーションの指導に留まらず世界に出てからの実践に繋がる教育をされているのですね。本日はお忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました。

 

学校紹介:早稲田中学校・高等学校
 早稲田中学校・高等学校は、東京都新宿区馬場下町にある中高一貫の私立男子中学校・高等学校。早稲田大学の系属校であると同時に、トップレベルの国公立大学および医学部に多数の合格者を輩出するユニークな特徴をもつ国内有数の進学校でもある。
 
 

 

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